鍛えあげられた者たちのその後

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「叱られる」ということに対して免疫ができている生徒、そして拗ねたりせずに、素直にそれを受け止めてくれる生徒ほど就職活動でも成功する。

 

月曜日、前職時代の教え子(社会人1年目)とランチに行ってきた。(以下A)

苦労をかけられた生徒ほど印象深いもの。

 

Aとは小6の終わりからの付き合いで、ちっとも成績は伸びず、中3になっても遊んでばかり。学校にもまともに行かず、当時指導していた中3生(約60名)の中でも成績は下から2番目。

 

模擬試験の結果も5科目合計で200点未満。普通科の公立高校はまず無理だと思っていた。やる気が無く、いつもヘラヘラ笑っていたので、中3の10月のある日、これでもかというくらい叱って泣かせた。生徒対応にマニュアルなど無い。ズルをする生徒や言うことを聞かない生徒、態度の悪い生徒は絶対に許さない。「ズルした先にはドブしか待ってない」と言ったことは良く覚えている。

 

その後、Aに、休日は朝7時~夜11時まで塾に来て自習することを義務付けた。姿勢や態度も激変し、徐々に点数は伸び、公立高校の普通科に合格した。

 

スポーツに限らず、勉強でも何でも、一つのことに真剣に取り組む人間は、外見も中身も全て変わる。そして「目に見えない財産」が残る。

 

Aの高校合格と同時に、私も前職を辞することになったが、その時に「今手に入れたものを無駄にしないようにするためにも、高校へ行ってからも頑張ります!!」とメッセージをもらったことを思い出す。

 

その後、Aは高校でも非常に真面目に頑張り、特待生として学費は全額免除で進学。そして、とんとん拍子で就職。挨拶の仕方、敬語の使い方、立ち居振る舞い、何もかもが8年前とは見違えるようになっていた。

 

今の仕事が充実していて、プライベートもいい感じだということは表情から分かる。

色々と大人の会話ができて本当に楽しい時間を過ごすことができた。

 

本当におめでとう、心の底から嬉しいです。またいつでも遊びに来てくださいね。

夏期講習中の嬉しかったこと③

当塾には◯つけや補習のサポートとして複数名のアルバイトがいる。彼らは全員が前職時代の私の教え子で、水野という講師の人間性も熟知している。

勿論、黒板を使っての授業はさせない。我々プロ講師にとって黒板はいわば「聖域」なので、中途半端な授業力しか持たぬ者にチョークは握らせたくないからだ。

 

彼らが、アルバイトとして当塾に入る時に、一つだけ約束してもらったことがある。それは「この塾の他に何でもいいからサーヴィス業(できれば飲食店)でアルバイトをすること」だ。色々な人と関わりを持ち、コミュニケーションスキルを磨いてもらいたい、ということと外界の世界の大変さを体験して欲しかったからだ。

 

この職に携わる人間は(勿論、全員がそうではないので悪しからず)、勘違いしやすい。生徒や保護者の方から「先生」と呼ばれ、「自分はすごい人間なんだ、成績が上がったのは自分のおかげだ」と錯覚をおこしてしまう。以前関わりを持った大切な教え子には、そういった誤った感覚を持ってもらいたくない。

 

彼らは、ホテルやマンガ喫茶、居酒屋などでバイトをしているが、やはり塾講師しか経験していない者との差は歴然としている。指示したことは的確にこなし、生徒に対する気配りもできる。誤解を恐れずに言うならば、中途半端な新卒のホワイトカラーよりもよっぽど優秀であると思う。

 

前回、中学生のテスト対策のサポートで3人に来てもらったが、何一つ無駄な動きがない。紛れもなく、もう一つのバイトでのご指導の賜物であると確信している。一生懸命に教室を動き回り、生徒の答案の◯付けをしている姿と見ていると、彼らが小中学生だった頃のことを思い出す。3人とも何がしらで激しく叱ったこともあれば、泣かせたこともある。深夜までの自習を強要したこともある。

 

にも関わらず、何年も経ってまたこういった形で関わることができて本当に嬉しく思う。

 

余談だが、鍛え上げられた教え子たちは就職活動でもしっかりと結果を出している。

 

今年も早々と内定をいただいた子がいるので、近いうちにお祝いをしたいと思っている。

夏期講習中の嬉しかったこと②

中学生は、夏休みが終わってすぐに、前期期末テストが控えていた。

結果を出すことのできている当塾の塾生はいい意味で「厚かましい」。

最近では、指定された課題をこなした生徒たちが、「もう一回り勉強したいのでプリントをもらってもいいですか?」と申し出をしてきてくれるようにさえなっている。

 

そして休み時間には、友達どうしで問題の出し合いっこをする生徒もちらほら…

 

また別の生徒は質問攻めにしてくれる。

 

彼らの入塾当初の様子からは想像もできない程の成長だと思う。

 

重視しているのは、質問にせよ、プリントの申請にせよ、他人の大人と話す機会である。

なぜなら言葉を磨く機会になるからだ。大人が相手なら多少は考えて話す。そして、多少は言葉を選んで話すことにもなる。さらに、その生徒の育ってきた環境もすぐに把握できるし、ひいてはそのやりとりで成績も大体は分かる。そういう意味では塾の先生と話すのは貴重な機会だ。

 

塾講師は「消耗品」だと思ってもらって構わない。言うなれば、「雑巾」のように扱ってくれた方が嬉しい。入試の直前にボロボロになるくらいまで使い古してくれた生徒とは、今日でも良好な関係が築くことができている。その生徒たちが数年後にどんな姿になっているかは後日記載することにする。

夏期講習中の嬉しかったこと①

他ではあまり見られない光景かもしれないが、当塾は一度退塾した生徒が戻って来る。夏期講習が始まって数日が経ったある日、こんなことがあった。

 

校舎の電話が鳴り、受話器を取ると、「もしもし、水野先生ですか?」と生徒らしき声が聞こえた。相手は以前、通塾してくれていた生徒だった。電話の後ろが騒々しかったので、どこから電話しているのかと聞くと、「携帯の電池が切れたので、公衆電話からです」との返答。続けて「あれから色々考えたのですが、やはり水野先生のところへ戻りたいです」と思いもよらないことを言われた。実はこの案件は1件目ではない。以前通塾してくれていた生徒が、「やっぱりここが一番です」と言って戻ってきてくれたケースが過去にもある。

 

そういう生徒には、何もかも犠牲にして尽くしたくなってくる。

 

「卒業してからここの良さが分かってくれればそれでいいから」というのは常に生徒に言い聞かせてきた。当塾は大手同業他社とは違い、爆発的には生徒の人数は増えないし、こちらもそれを望まない。今通ってくれているお客様に最大限のサーヴィスをすることだけを今後も心がけていきたい。

休校日はなし

今日は、本来は休校日。

 

毎度のことですが、「能動的な生徒からの我がままは全て聞き入れる」というのが当塾の方針ですので、案の定、16:00~23:30まで自習室を開放する運びとなりました。

 

このままでいけば、お盆休みの何日間かもこうなることは明白…

 

当塾には元からの出来が良く、すべてを要領よくそつなくこなし…そんな生徒はいない。全員が「泥臭く」「愚直」に努力を続ける集団なのである。

 

日本最高峰の私大を受験する生徒も4年前の入塾時のスペックはひどいものだった。

 

他の生徒も同じ。

 

最も付き合いの永い生徒ともなれば、前職時代に小4の頃から指導しているので、もう9年目のお付き合いになる。

 

校舎を開校したばかりの頃は「早く実績を上げて周りから認められたい・誉められたい」という意識が強かったように思う。その感覚が、ここ数年の間に変わった。

 

この日報を打ちながら後ろから必死で英語のシャドーイングをする高3生をみていると、こう思わずにはいられないお客様に最高の結果を出して、喜んでもらいたい」と…