信頼を得るということ~経験談より~

高校を退学して、大学受験を決意し、最初に就いたのが新聞配達のアルバイトだった。

 

毎年この時期は、その時のことを思い出す。冬は寒くて、いつも手がひび割れを起こしていた。そして、参考書を開く時、関節を曲げるたびにパックリ割れて、「なんで自分はこんな事してるんだろう」といつも自己嫌悪に陥っていた。

 

バイトを始めて2か月くらいたったある日。4時に出勤して、配る新聞にチラシを入れる作業を手伝うように店長に言われた。通常は4時30~5時くらいの出勤だったので、「めんどくさいな」と思いつつ、やることにした。そして、それを始めて最初の給料日。明細を見ると、「特別手当¥2,000」と書いてあった。「この¥2,000は何ですか?」と尋ねたら、「水野君は毎日4時に来てチラシを入れるのを手伝ってくれたから、その手当だよ」と言われた。それがどれだけ嬉しかったか、今でも鮮明に覚えている。

 

恥ずかしい話、それまでの18年間の人生において、親以外の人に認められたことは多分無かった。そして、これが生まれて初めて「人から認められた、信用を得た」という小さな成功体験になった。結局、それ以降も一日も欠かさず4時出勤を続けた。

 

信用を得たければ、第三者から認められなければ意味がない。例えば、「頑張ってるのに成績が伸びない」という中学生。はっきり言って頑張ってません。頑張ってるかどうかはこっちが決めます。

 

「親が私立大学に反対する」という高校生。自分が勉強を必死にやっている姿を保護者の方は知っていますか?もし、本当に必死にやっている姿を認めてもらえたなら、応援しない親はいません。それでも無理なら、自分で奨学金について徹底的に調べて下さい。それもせず、現状から抜け出せないのは、ただの怠慢です。

 

ちゃんと講師の指示通りに寸分の狂いもなく言われた通りのことを実践して下さい。外見が変えれない人間は絶対に中身は変わりません。

 

だから、いつも生徒にはこう言うことにしている。「根拠も無く、そのための努力もしない者が描く無謀な夢は全力で叩き潰す。無謀な夢=怠け者の逃げ道だ」と。