高校入試当日

TS3V0195

花粉が到来すると、もうこの時期が来たかと思う。

今日は、公立高校の一般選抜の日。

 

フィジカルもメンタルもある程度強いと自負していたが、14年間この仕事をやってきて、「胃が痛くなる」という経験を始めてさせていただいた。

 

なぜならば、今の中3生は、14年この仕事をやっていて、最も手のかかり、最も目をかける必要があり、最も成長の遅い学年だったからだ。

 

4年前に校舎を開校した時、当時小6の一部の男子生徒は、塾内で柿の種を食べようとしていた。別の男子生徒は、お菓子のゴミを塾内で捨てようとしていた。途中入塾のある生徒は、「絶対に無くすな」と言った英語のプリントを全て無くした。精神的にもろい生徒も多数。作文の添削でミスを指摘しただけで、挙動不審になる。模擬試験の自己採点が悪いだけで人前で泣く。宿題のズルを巧妙に仕組むetc.挙げればきりがない。

 

何度となく授業の冒頭や途中に「説法」をし、打たれ弱い生徒は上手に手の平の上で転がし、勉強以前から改善して行った。

 

年月が経過して、少しずつ覚醒する者も現れ始めた。

1年半かかって29の内申を37に上げた者・2年半かかって30の内申を38に上げた者・半年がかりで292点を440点に上げた者・同じく半年で260点を430点に上げた者…

 

受験直前の彼らの顔は、入塾時のそれとは別人になっていた。

 

ただ、彼らとの関係はこれで終わりではない。合格発表が終わってからは、高校生の授業が始まる。きっと大学受験の時も苦労させられるんだろうなあ、と中3が帰った後の誰もいない教室でふと思った。