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アメリカの公民権運動の指導者、マルコムXの有名な言葉「By any means necessary」。
「いかなる手段を使ってでも」という意味で、しばしば「目的のためなら手段を選ばない」といった文脈で引用され、「過激な思想」と捉えられがちです。しかし、私たちはこの言葉をただの「カッコいい名言」で終わらせません。
① 受験英語に使える文法知識
この言葉は、実は関係代名詞の省略という受験でも重要な文法事項を含んでいます。
「By any means necessary」は、正確には「By any means (which are) necessary」という構造になっています。
「necessary(必要な)」という形容詞が「means(手段)」という名詞を後ろから修飾しているのですが、このように「名詞+形容詞」の形になったとき、「which are」のような関係代名詞とbe動詞が省略されることがあるのです。
例えば、「the room available」(利用可能な部屋)も同じです。これも「the room (which is) available」が省略された形です。
このように、ただの名言集も、使い方次第で大切な文法知識の宝庫になります。
② 誤解されがちな背景知識
次に、この言葉の背景にあるマルコムXの思想に触れます。
彼はよく「暴力肯定派」と誤解されますが、それは正確ではありません。彼の言葉の真意は、「白人社会からの暴力や弾圧に対して、黒人が一方的に耐えるのではなく、自分や家族を守るための正当防衛は必要である」というものでした。
実際に、公民権運動を始めてからの彼は、むやみな暴力に訴えるような活動はしていません。むしろ、彼は非常に勤勉な人物でした。
青少年期に刑務所に服役していた際、彼は猛烈な勢いで読書に励み、辞書を丸ごと暗記したという逸話が残されています。そこから彼は、自らの言葉で人々を動かす力を身につけていったのです。
③最終的な着地点をどこに置くか?
このように、たった一つの名言から、文法的な構造、そしてその言葉の生まれた背景や人物像まで、多角的に学ぶことができます。
英語を学ぶ上で、ただ単語や文法を覚えるだけでは、やがて行き詰まってしまいます。「By any means necessary」という言葉を、ただの「暴力的な名言」で終わらせるのではなく、「目的を達成するために、必要な努力は惜しまない」という、彼の勤勉さや強い意志の表れとして捉える。
そして、その姿勢を、受験勉強にも活かしてほしいのです。
「志望校合格」という目的のためには「By any means necessary」、必要なあらゆる手段(日々の予習復習、弱点克服、体調管理…)を講じていく。
私たちの授業では、こうした背景知識も踏まえることで、皆さんの学びをより深く、そして豊かなものにしていきます。ただの「カッコいい」で終わらせない、それが講師の力量です。